ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない
心配してくれるのかと黎は少し嬉しかった。
「ああ。誰にも言うなよ。実は一年待ってもらうよう頼んだ」
小さい声で答える。
「は?何で?一年以内に誰か捕まえる予定なのかよ?」
黎はほくそ笑んだ。
「……わからん。とりあえず、しばらくは静かだ。お前も頑張れよ」
「なんだよ、それ。お前が選ぶ女なんて初めてだろ?えー、どんな女だよ?興味あるなー」
「えー、何々?ふたりで何内緒話してるのよー。私も混ぜてよ」