ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない

 こてんと頭をかしげ、こちらを見ている。にっこり笑って返事する。

 「もちろん、いいわよ。何が欲しいの?好きな曲弾いてあげるわよ。黎さんだけのために……」

 ああ、そうか。そういう考えだったのかと相変わらずの彼女に黎は苦笑い。

 「俺は今日休みなんだが、明日も休むべく今仕事を片づけてたんだ。百合は明日どういう予定?」
 
 「明日は午後からよ」
 
 「何時にどこ?何の仕事?」
 
 「……え?えっと、明日は久しぶりに大学なの。教えるわけじゃないけど、今後の相談。スケジュール変更が多くて、迷惑かけてるから……」
 
 「何時?」
< 166 / 327 >

この作品をシェア

pagetop