ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない
「二時よ」
「わかった。その後は用事ある?」
「ううん。話し合った結果を事務所へ説明に行くかも知れないけど、その後は特にないわ」
「……よし。なら、明日も夕方からは俺と一緒にいよう」
「……え?うん、いいわよ」
百合は不思議そうに彼を見た。
「百合。お腹すいた?」
「そうね。もうすぐお昼だもの……今日はどうするの?私ね、最近顔が知れてしまって、素顔だと声かけられたりするから、外で食事はちょっと……」