ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない
全て初めての百合は黎のなすがままだった。黎の背中に手を回し、声を上げている。ベッドへ真っ昼間から百合を連れてきて、黎は夢中になって彼女を可愛がった。その日彼女の悩ましげな声がようやく聞こえなくなったのは真夜中だった。
翌日。
日が高くなってからようやく目覚めた百合は、用事があることを思いだして、身じろぎしたが自分が裸で彼に後ろから抱きしめられていることに気付いてびっくりした。
そして、身体を起こそうとしたが、動けない。
すると黎のクスクス笑う声がする。
「姫、お目覚めかな?」
百合が後ろを向いて黎を見ると、王子さながらの色気を漂わせた男が自分を見ている。
それだけで百合は恥ずかしくなり真っ赤になった。