ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない
 
 「……え?特に何も言われてないけど」
 
 神楽は安心した。その後、食事をしてホテルへ入った。

 神楽は黎に電話をするか、メールをするか迷った。
 電話をしていい時間かどうかもわからないので、メールにした。

 事の次第をメールに書いて、あさっての受付に名前を言えばチケットを受け取れるようにしたと連絡する。

 メールを書いてしばらくすると、返事が来た。チケットが売り切れていてとても助かった。ありがたくそうさせてもらうと書いてあった。そして、神楽との再会を楽しみにしていると……。
 
 そのメールを見た黎は正直驚いていた。

 まさか、大学の時のあの神楽が百合のマネージャーだったとは、運命のいたずらとしか思えない。
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