ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない
まあ、御曹司だし、知られず色々しているのかと邪推していたが、本当に付き合っていなかったのか。
「掃いて捨てるほど周りにいたのにな」
「やめろよ、そんな言い方」
「すまん。で?今も女性に興味がないのか?もしや……」
こちらをニヤリと見る。
「いや、いずれ結婚はするし、女性が好きになれないわけでないとわかった」
「は?」
黎は神楽を真っ直ぐ見た。
「神楽。栗原さんと友人になりたいんだ、許してくれ」