ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない
百合はあれ以降黄色が好きになった。黄色の服なんて買ったことなかったのに、何故か買ってしまった。
今日はこれを着ようと決めていた。
「黄色、堂本さんお好きなんですか?」
「そうだね、勇気や元気をもらえる色だと思うんだ」
「私、あなたにこの色の花束を頂いたときから、黄色が好きになりました。この服もそれ以降買ったものです」
まるで、自分に影響されてくれたかのようで、黎は悪い気がしない。にやついてしまった。
「それは、嬉しいね。君も黄色が好きになったんだ?」
「……好きというか。見るとやはり元気が出ますね」
「思惑通りだね。少しづつ俺の好みを知ってもらうから楽しみにしていて」