記憶喪失幼馴染は私への執着を隠さない
地下鉄から降りて5分ほどの所にあるのが私の家。狭くも広くも無い普通の部屋だ。

これからこの部屋に彼が来るのか…考えると少しドキドキするな。男の人を家に上げるのなんて初めてだし。

考えてるとソワソワするので特に散らかってはいないが部屋の片づけをする事に、するとちょうど昔のアルバムが目に付く。

「そう言えば、これを見せれば記憶が戻るかも」

丁度玄関のインターホンが鳴る、彼が来たのだ。

「今開けるねー」

ガチャリとドアを開けると彼が。手にはなんだろう、ケーキの箱だろうか?

「ごめんごめん、お土産にケーキ買ってたら遅れちゃった」
「お土産なんていらなかったのに… でもありがとう。入って」
「おじゃまします」

彼をソファに座らせ私はお茶を淹れる。ケーキに合うように紅茶をチョイス。

「はい、お茶。ケーキも今出すから」
「ありがとう」

なんでもないマグカップなのに彼が持つと途端にかっこよく見えるなぁ…
ジロジロと見すぎたのだろう。彼がこちらに気付く。

「どうかした?」
「ううん、何でもない。それよりさ。これ」
「アルバム?もしかして」
「うん、私と拓斗との思い出だよ」
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