記憶喪失幼馴染は私への執着を隠さない
しかしもう涙もいったんは打ち止め、全くでなくなった。名残惜しいがもうこの時間は終わりだ。
「もう大丈夫だから…」
「無理して大丈夫なフリしなくてもいいんだよ」
その言葉に、私の気持ちが決壊してしまう。
「だって!!私の好きな拓斗はもう居ないんだよ!!」
「ごめん…今はそれしか言えない」
「運命だと思った!!なのに…なのにぃいぃぃいいいぃ」
打ち止めかと思った涙がまたこぼれ始める。そんな私をただ抱きしめていてくれるだけで嬉しい。でも彼は私の好きな彼じゃない。
「僕だって君と出会えて運命だと思った。だから…」
「な゛に?」
「昔の僕だなんて忘れるくらい、君をメロメロにして見せる」
そう言った彼は私を抱く力を強める、それはまるで私の事を逃がさないとでも言わんばかりのようだ。