記憶喪失幼馴染は私への執着を隠さない
【今日楽しかった。今度はもっと遠くに行かない?】

夜ご飯を食べていると拓斗からメッセージが来る。

【そうだね、いつ行こう】
【ゴールデンウィークとか、行く場所はおいおい決めるとして】
【わかった】

もっと2人でお出かけしたいなぁ… 記憶が戻れば万々歳だし。

【今日さ、ナンパされてたじゃん】
【うん、あの時かっこよかったよ】

あの時は本当に助かった、彼が居なかったら連れ去られていただろう。

【その時、風香さんへの気持ちが抑えられなかった。やっぱり僕は君の事が好きなんだ】
【それは…】

私は言葉に詰まってしまう、彼に惹かれているのは事実だが… 昔の気持ちも捨てられない、捨てたくもない。

【今の拓斗の事は好き。でも、昔の拓斗への気持ちが捨てられない】
【そっか…】
【ごめん、今日は疲れたからもう寝るね】
【そっか、おやすみ】

もやもやする気持ちを隠すように話を切り上げる。今はどれだけ考えてもどうせ答えは出ないんだからいったん考えるのを止めよう。
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