記憶喪失幼馴染は私への執着を隠さない
「相馬拓斗、よろしくお願いします」

相馬拓斗、確かに彼はそう言った。何度も何度も頭の中に響いてるので間違いはないだろう。

「それじゃ、乾杯しようか」

その言葉に我に返る。そうだ、参加している以上空気を壊すわけにはいかない。
私は作り笑いを浮かべ乾杯をする。

そして彼に話しかけようとしても…

「拓斗さんって~カッコいいですね~」
「名前的に相馬貿易の御曹司だったりして~」

他の女2名に阻まれ話しかけられない。

どうしようかと考えていると以外にも向こうから話しかけてきてくれた。しかし・・・

「こんにちは、風香さん」
「こんにちは」

早速聞いてみることにしよう、彼が女性にキャーキャー言われるのはどこかムズムズする。

「あの…」
「どうかしたの?」
「私の事…覚えてますか?」

そう言うと彼は申し訳なさそうな顔をして答える。
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