記憶喪失幼馴染は私への執着を隠さない
「それでね、ここからが中学の、12歳から15歳の思い出」

私と拓斗の幼稚園から小学生までの思い出をあらかた話し終え遂に中学生。私との別れの思い出を話す。

「でも中学の頃は拓斗は男友達と一緒に居ることが大かっなぁ…」

嘘だ、私と拓斗は中学でも一緒だった。

「そっか…でもありがとう、記憶を取り戻すヒントになったかも」
「そっか、それはよかった」

私はウーロン茶を一口飲む。出来れば本当のことを話したい、告白もしたい。でも…彼が昔の幼馴染をどう思ってるかわからない、またも私は告白する勇気が出ないのだ。あの時のように。

「大丈夫?なんか元気なさそうだけど?」
「ううん、大丈夫」

もう一度ウーロン茶を飲む。さっきよりほろ苦く感じるのはきっと気持ちのせい…

あれ…?あたまが…フラフラする…?

「あっ!!風香さん俺のウーロンハイこんなに飲んでる!!」
「そーなんですか~?だからこんなに~」
「あぁどうしようどうしよう。とにかく家に送らなきゃ…家の住所言えますか?」

残念ながらその頃には私はぐっすり夢の中。拓斗さんの呼びかけには全く反応が無い。

「あーもう仕方ないか。明日は休みだし…」
< 7 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop