記憶喪失幼馴染は私への執着を隠さない
「ん…ここは…」

知らない天井、買った覚えのないフカフカな布団にパジャマ。ここは…

「あっ!起きた?昨日運ぶの大変だったんだよ」
「拓斗…じゃあここは拓斗の家?」
「うん」

昨日の事をよく思い出してみる。確か居酒屋で…そうだウーロン茶を飲んだらそれが…
思いだすと急に恥ずかしさがこみあげてくる。

「たった拓斗…ごめん!!」
「いいって、それより朝ごはん出来てるよ」
「朝ごはんまで作ってくれたの?ありがとう」

彼についていくとトーストにヨーグルト、サラダにスクランブルエッグと美味しそうな洋食が並んでいた。
彼の対面に座り朝ごはんを貰う事に

「いただきます… ん、美味しい」
「そう、良かった」

でも…彼は… 拓斗は大の和食好きだった。この洋食の朝ごはんを食べていると彼が本当にいなくなってしまったと現実をついつけられている気がして悲しくなってくる。

「大丈夫?まだ酔って?」
「ううん、大丈夫、大丈夫だから…」
「だめ、悲しい時はちゃんと悲しいって言って欲しい」

優しい所は全く変わってない拓斗、私の目からは自然と涙がこぼれ始める。
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