Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

突然のハグへの驚きと

初めて感じるその温もりが不思議と心地良くて

動けないでいる私に理斗が耳元でささやく。



「断られると思ったから嬉しい…」



彼の聞いたことのないか細い声に

彼の弱い部分が見えた気がして何も言えなくなり、

気づいたら彼の背中へ同じように腕をまわしていた。



自分の行動に驚いていると

理斗が抱く力を強めたので離れることが出来ず

そのまましばらくの間、彼と温もりを寄せ合うのであった。




きっと私は今、見せられない程赤い顔をしているだろう。


ある意味この状況で良かったのかもしれない…。


そんなことを考えている私は⎯⎯⎯

後に起こる出来事によって、

"約束" が果たせなくなるなんて露ほどにも思っていなかったのだ。




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