Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
「冗談やめてよー!自分でできるし!」
というと彼はクスクス笑いだした。
「ちょっと!なんでそこで笑うの!?」
「いや…クスクス、 あんまり可愛い反応を見せてくれるから、ついっ」
なんて言う彼も緩まった頬が少し赤みを帯びていて、 自分だって照れているではないか。
……とむくれ顔で言外に訴えかける。
「ごめんごめん、 でもさっき言ったこと別に冗談じゃないからね」
穏やかな顔をして言う理斗。
昨夜の熱がぶり返してショートする私をおいて、無情にも登山は再開したのであった。
放心している私は、彼に手を引かれながらチーム最後尾を歩き出し
握られた手に気づいて言い合いをする中でなんとか離してもらいつつ
順調にクリアしていき最終地点に到着、 ゴールした。
そして、私たちを仄暗い眼差しで見つめている存在に気づいたのは、理斗だけだった⎯⎯⎯。