Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
後ろはまさかのここと下道に掛けた傾斜だった。
「あ、 危ない!」
「瑠花!!」
と同時に叫ぶ川路くんと
必死な形相でこちらに走ってきている理斗。
理斗に伸ばされた手が私に届くことはなく、
落ちないように慌てて体制を整えるも虚しく
足が幹に引っかかり傾斜を滑り落ちる⎯⎯⎯。
「ッう゛!! はっ……ったぁ…」
⎯⎯⎯なんとか途中の木にしがみつくことができた。
二本木が横並びになってる所に安定する体制をとりつつ、一息ついていると上から声が聞こえてきた。
それを遠耳に聞きながら己の状況を確認する。
幸いジャージを着ていたため大きな傷はなさそう…
所々ジャージが破けていて、擦り傷になってる所は血が滲んでいる。
幹で少し捻ったようで足首が痛いのと、倒れた時に打ったせいで背中も少し痛い。