Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

……この傾斜を落ちたのにこれだけで済んだのは、不幸中の幸いかな。


でも、この傾斜を一人で登るのはさすがに厳しいか。


はぁ、もう色々満身創痍すぎて疲れた…


今すぐ眠りたい気分だ⎯⎯とため息をついていると


「瑠花!!」


再び呼ぶ声に意識を引き戻され見上げると⎯⎯⎯


理斗が細心の注意を払いながら、ゆっくりこの傾斜を降りてきていた。




「理斗…どうして来ちゃったの。 ダメだよ。
理斗まで怪我しちゃうかもしれないじゃん!」


「俺の事なんて気にしてる場合か! こんな傷だらけの瑠花を見て大人しくなんてしてられる訳ないだろ!」



彼にしては珍しく強い口調でそう言うと眉間に皺を寄せた。


そして壊れ物を扱うような手で背中を支えながら

傷の確認をしてくれた⎯⎯⎯⎯。

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