Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

熱伝染

◇瑠花side



⎯⎯⎯処置後


この部屋には私と理斗だけが残され

迎えがきたら先生が呼びに来る手筈となった。


ここは山中で近くに病院が無いこともあり、小1時間は私達二人だけとなる訳だ⎯⎯⎯。



先程から私を見ているのに目が合わず

突っ立ったまま動かない理斗の様子を伺う。


彼は救助されてからずっと暗い顔をしているので、心配していると…


「瑠花……」


と呟きながら、彼はベッド横の椅子に腰をかけた。


そして私の片手を恐る恐る握り、 その手を見つめている。



……握られた彼の手は小さく震えていて

こんなに心配をかけてしまったのかと胸がツキンと痛む。



⎯⎯⎯理斗を安心させたくて

そっと上体を起こすと彼が背中を支えてくれ、

そのままベッドボードに背をもたれながら彼を見ると…


ようやく目が合った。

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