Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
⎯⎯⎯ようやく口唇と体が離れると
急に消えたその温もりに少し寂しさを感じつつ
焦点が合わない目でぼーっと彼の顔を眺める。
「キス、ごめん。 止められなくて……
でもいい加減な気持ちでした訳じゃないのは信じて」
……という彼は真面目というか、律儀というか。
彼は普段の行動と中学の話を聞くに、
女嫌いで潔癖な性格だということを知っている。
だから、その言葉を信じざるを得ない。
長年で培った性格というものは、そうそう変わることはないからだ。
「だ、大丈夫、 私だって抵抗しなかったんだし…。し、信じる」
キスしたことを改めて自覚して恥ずかしくなり、赤い顔を見られないように少し俯く。
…そう、何故か抵抗しなかった。
嫌じゃ、なかった……
何故かそうなることが自然かのように思えてしまった。
どう…して⎯⎯⎯?