Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
◇◇◇



話終えると彼女は眉をひそめ静かに泣いていた。


それを今度は僕がぬぐう⎯⎯⎯。


こんな話を聞かせて申し訳ないながらも

彼女の涙が見れたことが嬉しくてつい笑みを浮かべる。



「今まで誰にも話したこと無かったから緊張したよ」



重い空気を飛ばすように言うと、ふわりと僕の好きな匂いが香った。



「……辛かったね、 寂しかったね、 苦しかったね。
独りって…自分が思ってるより辛いしっ、
独りの時って、それに気づけないんだよね。
麻痺しちゃってっ……よく耐えたね」



彼女は嗚咽気味に泣きながらそう言って


……僕を強く抱き締めた。



別に励まされたくて話した訳じゃない。


なんなら、彼女に心を開いて欲しいという下心で話したというのに……



彼女の優しさが自分でも気づかなかった傷に沁みて、


不覚にも涙が零れた。

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