Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
⎯⎯⎯あぁ、 そうだ。 彼女はいつもこうなんだ。
人のことは自分のことのように寄り添うのに
自分のことなんて放ったらかしで。
自分だって僕と同じような環境にいるのに
暗闇に自ら飛び込んで、助けを求めようともしない。
それはまるで⎯⎯⎯
いつでもそこから、消えられる準備をしているみたいに。
だから僕は……
そんな君を助けたいって、 失いたくないって、
気づいたら好きだって思ったんだ。
◇◇
彼女と抱き合うととても穏やかな気持ちになれる。
彼女の背中をぽんぽんとあやすように叩くと
彼女の涙も落ち着いたようで体を離す。
「理斗、話してくれてありがとう。聞けてよかった」
「…うん、こちらこそ聞いてくれてありがとう」
「……そんな環境にいたのに、どうして私のこと好きになってくれたの?」