Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
そんな僕に、彼女が俯きがちにこちらを伺うように言う。
「あ、あの、実は私も家庭環境があまり良くなくて…
その、まだ話せる勇気がないから、話せるようになったら……その時は聞いてくれる?」
……(知ってるよ。 だから、助けたいんだ)
その健気でいじらしい姿に心臓を鷲掴みにされ、
思いっきり彼女を抱き締め首元に顔を埋めた。
「うん、 聞くよ。 聞かせてくれるの待ってる。
絶対、何を聞いたとしても…僕の気持ちは変わらないから安心して僕の胸に飛び込んでね」
彼女が僕を信じようと少し心動かしてくれた事がとても嬉しくて、少々口早になってしまった。
「あ、 ありがとう」
耳まで赤くして言う彼女の可愛さに悶えていると
……少し遠くで話し声が聞こえた。