Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

彼の色気に気圧され、モジモジしながら語尾もだんだん小さくなっていく⎯⎯。



「でも、僕は瑠花が好きだし、意識されたい。
それに、もう前にしちゃったよ?…気持ちいいの」



思い出させるように言われ、

恥ずかしさのあまり顔を手で覆って俯くと……


その手を理斗がそっと剥がし覗き込んできて

夜空色の瞳に射抜かれ、心臓がドクンと大きく鳴る。



「僕、瑠花とだけだよ。キスしたいって思うの」


その(こいねが)うような目から離せなくなり見つめ合う。



1秒、2秒、3秒⎯⎯⎯⎯


あ、これ…あの時と同じだ。



そう思ったのも束の間、ゆっくり視界が彼で埋まっていき


口唇が触れる間際


目を閉じた彼の綺麗な顔に見惚れているうち……



あの時のように優しく重ねられた⎯⎯⎯。



そしてゆっくりと口唇が離れると同時に

彼の長いまつげが上がり、夜空色が覗いた。

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