Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

彼女の泣き方は静かに嗚咽するような泣き方で

苦痛に耐えるようで聞いていると凄く苦しくなった。



もっと声を上げて泣いていいのに…


俺しか見てないよ


俺だって忘れて欲しいなら忘れるよ


……そう思いながら彼女の背中をさすった。




⎯⎯⎯少しして落ち着いた彼女は

可哀想になるほど目を真っ赤にした顔で

また再度気持ちを……今度は感謝を伝えてくれた。



「蓮くん、そんなふうに言ってくれてありがとう。
蓮くんがくれた気持ちも、言葉も、温もりも。……本当に、全部すごく嬉しかった。…応えられなくてごめんね。
私を好きになってくれてありがとう」



⎯⎯⎯と。



もう、この子は…


どうして人のことばかり考えるのだ。


もっと苦しみを吐き出して泣きわめいてもいいのに。


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