Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
⎯⎯⎯深い絶望感と悲しみで胸が鷲掴みにされたみたくズキズキ痛む。
あぁ、痛い……本当に物理的に痛む。
息が苦しい…っ。
やだ、見たくない…。
ココカラ、ニゲダシタイ。
怒涛に湧き上がるモノが処理しきれなくて立ち尽くす。
そして、地面にポタッ…ポタッ…
と落ちるものを見てようやく気づいた⎯⎯⎯。
ふっ、 馬鹿だな…今更気づくなんて
もう後戻り出来ないほど彼に心を移して。
こうなることなんて分かってたのに…愚かな私。
……結局、私は私のままでしかいられない。
『絶対』なんて、『永遠』なんて幻だ
⎯⎯⎯"私においては" ね。
涙をぐっと拭う。
そして視界が色褪せ、心が凪いできた
……あぁ、これがいつもの "私" だ。
涙はもう流れない。