Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
後悔先に立たず
◇瑠花side
あれからどれだけ経ったのか。
ここにいると時間を忘れてしまう。
今はちょうど黄昏時
太陽が沈み切る直前の境界線が薄くなる時間。
あと30分もすれば……
"昨日までの私"も太陽と共に消えてくれるだろう。
そう心が凪いでいると珍しく人の足音がした⎯⎯⎯。
その音はだんだんこちらに向かってくる。
そんなことはお構い無しにぼーっと夕日を眺めていると
耳端で声をかけられた……気がする。
私にはなんだかよく聞こえず
何度もする声に反応せずにいると⎯⎯⎯
肩を揺すられ、やっと意識が声の主へ向いた。
「何故、ここに理斗がいるの?」
壊れた笑みに何とも無機質な声で言う瑠花に
理斗はビクッと体を震わせた。