Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
気持ち悪さで全身に鳥肌が立ち
何故か動けずにいると耳を疑う言葉を吐いてきた⎯⎯。
「ねぇ、私が琴瀬さんの代わりになるよ?」
……何を言ってるんだこの女は。
お前如きが"瑠花"の代わりになる?
ふつふつと湧き上がる怒りと気持ち悪さに耐え兼ね
抱きつかれている手を振り払おうとしたその時⎯⎯⎯
扉からガタッと音がし、反射的に振り向くと
……そこには瑠花が立っていた。
それを見て悟った。
⎯⎯⎯この女全部わざとだ。
彼女がいるのを知ってあんな事を宣ってきたのだ。
女を見ると案の定悪い顔で笑っている。
再度瑠花に目を向けると
顔が全く見えなくなるぐらい俯いていた。
何かが落ちるのが遠目で見え
彼女が泣いていることをようやく理解した瞬間、
彼女が腕で乱暴に目を擦りこちらを見た。
⎯⎯⎯そこには
あの日よりももっと、 ゾッとするほどの深い闇を抱え
一切の色を失って無と化した瞳があった。