Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
いつもは光宿る綺麗な藤色の瞳も⎯⎯⎯
一切の光が抜け落ち
まるで深い闇に独り取り残されたかのような
藤色が真っ黒に見えるほど仄暗く色を失った目であった。
何故そんな目を…そんな顔をしているの。
君はいったい何を抱えているの。
そう考えている間に黄昏時になり、
彼女の存在がだんだん薄れていくように見えた。
その儚い様に見惚れながらも
『この存在を失いたくない』
と無意識に手を伸ばそうとするが伸ばしきれず。
引き止めておくため、隠れて音を鳴らし様子を伺う事しかできなかった。
彼女が意識を戻すと
存在が戻ってきたように輪郭に残り光が帯びた。
それがひどく美しくて、ずっと眺めていた。
僕がその闇から救い出してあげたい。
無理なら一緒に寄り添ってあげたい。
そういう気持ちが一気に溢れ出し気づいた。
⎯⎯⎯僕は、この子が好きなんだ。