Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

明かされる深淵

◇瑠花side



私の両親は所謂できちゃった婚だった。


別に望まれて生まれてきた訳では無いと知って、当時は子供ながらにショックを受けたものだ。




⎯⎯⎯幼少期




父はとても気性が荒く、気に食わないことがあると物・人構わず当たることに加え

酒癖は悪いし、子供の前で平気で情事に及ぼうとする人間であった。



幼い私を怒鳴ったり、 真っ暗で狭い所に閉じ込めたり……

酷い時は手が出るし外に放り出されて放置されることもあり

母がそれを見つけて庇うと、戸の向こうで父が母に上げる怒声がとても怖かったのを覚えている。



……おかげで私は閉所・暗所恐怖症だし、色事にはある種嫌悪感を抱くようになってしまった。




小学生になった辺りにはもう両親の喧嘩が絶えなくなっていて、


初めは言い争うだけだったものも

次第に周りの物を巻き込み、倒したり壊したりで

家の中はしょっちゅうグチャグチャだった。



それを片しながら不平不満を垂れる母と、不機嫌に家を出る父。



そんな風景が日常となる頃には⎯⎯⎯


とっくに私は、人の顔色を常に伺い


自分の思ってることも口に出来なくなり


周りに嫌われない自分を作るようになっていた。

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