Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
⎯⎯⎯父がついに母へ暴力を働いた。
それも何度も。
母の状態は見るも無惨で、床に飛び散る赤に一瞬放心した程だ。
……このままでは母が死んでしまう。
私は恐怖で泣きじゃくり
静止の声を上げるが、それが届くことはなく
父の気が済んだ所で⎯⎯⎯
「お前が分からないから教えてやったんだ」
なんてふざけたことを抜かし出ていった。
結婚したくせに。
無責任にも子供ができる事をしたくせに。
母を愛してたんじゃないの?
生まれて初めて、憎悪という感情を持つと同時に
何も出来なかった。
助けることも…助けを呼ぶことも。
と自責の念や恐怖、怒り様々な激しい感情で心がぐちゃぐちゃになった。
その時、幸いしっかり意識のあった母が
自分の親族を呼んだ事でなんとかなったものだった。