Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜


今でも思う⎯⎯⎯


ごねて二次会に行かなければ。


そもそも習い事なんてしなければ。


いや違うな、生まれてさえ来なければ……と。




⎯⎯⎯結局DV父とは別居、 母は入院。


私は小学生の間、近くに住む母方の祖父母の家に預けられることになった。



それからの私は心の取れないトゲを必死に隠したいが故か

はたまた取り除きたくて足掻こうとしたのか攻撃的な性格になり

当然周りからは孤立していったのである。




そんな時に仲良くなった男子が運の悪いことに

クラスのリーダー格的女子の好きな人だったのだ。



女子から無視をされ始め、あらぬ噂を流されたり

男子からは「うわ〜琴瀬菌、触っちまったよ」などと笑いながら触れたところを擦り付け合うという菌扱いを受け、変なあだ名まで付けられた。


仲良かった男子も……

「ごめん、もう仲良くするのやめよ」と離れていった。



善悪の区別がまともについていないからこそ

それは惨いものであった。



物理的ではなくとも精神的な苦痛を受け

私の攻撃的な性格はすっかり身を潜めた⎯⎯⎯。


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