Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
◇◇◇



「だから、理斗に出会えた私は本当に幸せなの」


そう言って微笑み、私は涙を流した。

理斗は苦しそうに悲憤(ひふん)の表情を浮かべる。


……そんな顔、させたくなかったな。



「理斗……」


「なんだよそれ……僕が知ってる、想像してた内容より遥かに酷い。 それなのにどうしてっ、周りに優しくできるの。
っていうかそんな苦しいこと思い出させて、話させてごめんっ…」


そう言って私を強く抱き締めた。



「ううん、聞いてくれてありがとう。 むしろ、こんなの聞かせちゃってごめんね。 それに私は優しくない、ただ嫌われたくなくて八方美人に動いてるだけ。

……私そんなんばっかだったから、なかなか理斗の気持ちにも素直に向き合えなくて。 …でも理斗といる時間が、私にとって段々かけがいのないものになっていった。
理斗のおかげで、今はすごく楽しくて、幸せだよ」



この思いが伝わればいいと抱き締め返すと


理斗はより腕の力を強めて

< 291 / 326 >

この作品をシェア

pagetop