Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
⎯⎯⎯驚いた。
今まで僕から触れることはあっても
ずっと一線を引いたように彼女から触れてくれることはなかった。
そして何より……彼女のたったこれだけの行動で
さっきまで渦巻いていた黒い靄が一気に晴れたことに驚いた。
あんなに自分では消せなかったのに…
嬉しいことが一気に押し寄せてきたことで、今の僕は顔が赤くなっているだろう。
僕はバレないよう口に手を当て、早足になっている彼女の後ろを大人しくついていった。
⎯⎯⎯今はまだ
瑠花の中にある、苦しませるものを教えて貰えなくてもいい。
彼女は根底の感情を隠すのが上手だから。