Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜

一歩二歩と入ってきた彼女がこちらを見て固まった。


それはそうだろう。

大体は閉まっているカーテンが空いていて、そこにいた人物は自分を見ているのだ。



彼女は少し間を置いた後

中に入りながら俺に体調を問うてきた。


その反応に驚くと共に、

初めて自分へ向けられた瞳と声に、体が痺れるような感覚を覚えた。


その感覚に戸惑い彼女の言葉に何も返せなかった。



そして何故か彼女に近づきたくなり…

そういえば聞きたい事があったな、とカマをかけつつ質問をしてみた。


すると彼女は、面白いぐらいに(いぶか)しげな顔でハテナを浮かべながら当然のように



「まぁ、知ってましたが、ベッドにいる人間に近づいてどうするんですか?体調不良の人を態々起こしませんよ」


と言った⎯⎯⎯。



俺が体調不良で休んでたと思ってるのか?

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