Rの恋鎖 〜ヤンデレ王子は溺愛中〜
そして、彼女は怒った顔までも可愛い。
……これは関われば関わるほど沼るやつだ。
そう考えたところで自分の抱いている感情に気づいた。
俺はどうやら彼女が欲しいみたいだ⎯⎯⎯。
今は警戒態勢の彼女に逃げられる前に、
少なくとももう少し仲を縮めておきたい……
「ねぇ瑠花ちゃん。俺の彼女にならない?」
⎯⎯⎯気づいたらそう口にしていた。
いやいや、 焦りすぎにも程があるだろ俺。
いきなり"付き合って"は流石にチャラすぎて、逆に敬遠されかねない。
焦りを悟られないよう余裕な表情をしつつ迫るが…
あわよくばは実らず。
とりあえず敬語をとって名前で呼んでもらうことになった所で、先生が戻ってきてしまった。
…チッ。
そして彼女は足早に出ていってしまった。
これからどう距離を縮めようか。
なんて考えている自分が
獲物を定めた猛獣のような顔をしていることには気づかないのであった。