たくさんの笑顔
「中瀬君は好きな子とかおらんの!?」
「おらんけど・・・。」
「じゃぁえぇやんか!!告るんて勇気がいるんやからなっ。うち、がんばったのに・・・このまま引き下がれへんっ!
高林さんと付きおーとるって噂もあるんやからっ。」
引き下がってくれ・
ってチョと待て!
今へんなことが聞こえたっ
「待て待て!なんで俺と高林が!?」
「だって、、、ウエ―――ン!!!!!」
ウエ―――ンがなんやっ!?
「泣くなや、俺どーしてえぇかわからへんやん?」
そいつの頭を手でポンポンとたたいて慰めた。
「振ったくせに、優しくせんといてぇ。」
「そやけど、なぁ?あ、でも高林とは付きおーてへんで。」
急に頭を上げられて、少しビックリした。
「ほんとぉなん!?!?」
「あ、あぁそうや。」
「ならなおさらや!うちと付きおーてよ。」
まだ引きずるかぁぁぁ!!!
「ムリ。だいいち俺、好きってことがよーわからんのやわ。やからそんなやつと付き合うより、もっと優しいやつを好きになれ。」
「中瀬君はずるいわ。カッコよーて、ほんで優しいもん。こんなん嫌いになれへんわ。」
最後にそいつは頬から綺麗な雫を垂らしながら、笑ろうた。
どうしたらそんな顔ができるんやろ?
俺はそう思いながら、少しの間屋上で空をみた。