たくさんの笑顔

1 じゅにあ はいすくーる




そして、俺はとうとう中学生になってもーた。

正確にゆぅと『今日』なる。



「おっはよーさん☆入学式に遅れるつもりなんか?」

貴が相変わらず俺を起こしに来る。

「うわっランドセルしょっとった貴がイッチョ前に学蘭着とる!」

「そんなん悠里もいっしょやん!はよ気がえろ!」

「ん。あと10分待っとって!」


急いで学蘭を着る。





玄関をでると、壁にもたれかかっとったた貴がこっちを向く。

「うっわ!なんでそんなに似合うんや?」

まじまじと俺を見てそう言うた。

「なんやねん。行くで。」

「うん、行こ。」


少し駆け足状態で学校に向かう。






「そーいえば、高林おらんやん。あいつどーしたんや?」

途中気が付いて貴に聞いた。

「中学校までいっしょに行くん恥ずいんとちゃう?もう俺ら小学生じゃないんやし(笑)」

「ふーん。」

なんかつまらんわ。あいつがおっても口げんかするだけやのに。
セイゼイしとんのとちゃうんか?

俺の気持ちやのにはっきりせんわぁ。


「あれ?その顔は、もしかして沙歩ちゃんのこと好きやったり?」


貴が顔をのぞかしてくる。

「んなわけあるかさ。なんで俺がアイツのこと好かなあかへんねん。」

好きではない。まだな ―






まだ?






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