たくさんの笑顔
「おはよう。」
高林がこっちに向かって走ってくる。
「貴くん、いっしょやったねぇ!」
ニッコリ笑ろた高林は、なんやいつもより顔が青い。
「高林、どないしたん?具合悪いんか?」
「へ?なんのこと?元気やけど。あんたこそ顔悪いでぇ。」
心配した俺があかんだ。いつものとーりや!
「なにが顔悪いじゃボケっ!いつもと変わらんわっ。」
「いつもと変わらんからやろ。あ!まちごーた、顔が悪いんとちゃって、頭が悪いんやっけ?」
「なんやてー!!!」
「ホンマやから言い返せへんやろ?いっつもうちにまっケホッケホッ!!」
胸元を押さえてせきをする高林。
「大丈夫か?あんま威勢えぇと喉つまらせるで?俺、薬もっとったかも。」
俺は鞄をあさって薬をだして、高林にやる。
「玉薬やで飲みやすいで。お茶もっとるか?」
「えぇよ、咳ぐらいでそんなん。大丈夫やさかい、はよ教室行ったほうがえぇんとちゃう?」
やっぱり高林の様子がへんや。
やけど、そのまま俺らは教室に向かった。
「ほな、また帰りなぁ!」
「わかっとるわ!それよりそんな大声でゆぅなや、こっちが恥ずいやないけ!」
「なんやなんや!俺は悠里を心配しとんのやで!初めての新しいクラスに慣れるかハラハラしとんのやわっ。」
「そんな心配せんでえぇ!はよ自分のクラスに入れやっ!!」
「ま!親に向かってなんちゅーことゆうのっ、そんなことそんな子に育てた覚えありません!」
「誰がお前の息子じゃボケ!育てられた覚えないわっ。」
やっと自分のクラスに入って行った貴を見て、俺もクラスに入る。