たくさんの笑顔
「あ!忘れとったっ!俺、安江 将人な。よろしくぅ。」
ニッコリ笑うと八重歯が見えた。
八重歯君やのーて、安江君。
「ゆっうっり☆会いに来たでぇ!!!」
貴が教室に入ってくる。
「なんでくんねん!!さっさと帰れやっ。」
「うちの息子がお世話になっておりますぅ。中瀬の母で~す!」
「なんでやねん!!!!しかもうちのおかんに似とる。」
「え?そんなんなん?意外やわぁ。」
直樹がわざとらしく真似をしだした。
「そうなんですぅ。うちの息子ったらかわぇぇ女の子を毎回振ってくるんですぅ。悪魔みたいな子で・・・。」
「うぅ、そうなんですかぁ?そらえらいこっちゃ。」
将人が相槌をうつ。
「ちゃうちゃう!もっとこう、語尾を延ばすねん!」
指導まではじまってもーた(汗)
「そこまでやっっっ!!!なにおかんを流行らせようとしてねん!」
「えぇ~、えぇやないですかぁ。」
「あかん!絶対あかん!そんなんしてたら、ほんまのおかんが着てレッスンしだすわ!」
これはまじ。
「うそー!そんなキャラなん?」
直樹がまた驚いている。
「そーや、そうゆうお方やねん。中瀬ママは・・・。」
貴は身に覚えがありそうや。可哀想に・・・
ーキーンコーンカラーンコーンー
「うっわ!チャイムなってもーた!ほな、俺行くわ!」
貴はそのまま急いでクラスへ戻って行った。
廊下で先生の怒る声が聞こえたさかい、間に合わんだんやろ(笑)