たくさんの笑顔
3 お風邪ぴゅーぴゅー
「高林っ!!!!」
かけよると、苦しそうにしとる。
「今、保健室連れてったるさかい!」
高林の体を抱えて走った。
直樹の声が聞こえた気がしたけど、ほっとく。
久々に超高速で走ったわ。
ガラッ
「あら!どーしたん!?」
先生が驚いて椅子から跳び起きた。
「こいつ、熱あんねん!ベット借りるでっ。」
俺はあいとるベットに高林を寝かせて、傍にあった体温計を高林の脇に当てた。
そんでもって、冷蔵庫からヒエピタを出して、高林の額にはる。
先生は俺の行動にめっさ驚いとるみたいや。
「・・・よう女の子の服の中に手ぇつっこめるなぁ。」
感心すんのはそこかい!!!
「べつに、それよか高林の方が大事やろ?」
「そ、そやね。」
ピピピピッ
体温計が鳴った。
「8度4分。こらえらいわ。」
「早退やね。先生ちょっと、言うてくるわ。そのこ、ちょっと見とって!」
先生は保健室からでていってしもた。
「・・・高林大丈夫か??」
そっと耳元で聞くと、微かに頷く。
「もう少し待っときぃ。先生、家まで送ってくれるさかい。」