たくさんの笑顔
俺の体にあたってはずむボールを貴はずっと見ていた。
「やっぱ上手いな~。藍君が教えてくれてんねんやろ?」
「そおやけど、練習したのは俺やっ。」
「そらそーやわ。」
貴はケラケラと笑って、自分のボールを転がし始めた。
「あぶないっ!!」
ふいに声がしたかと思うと、頭にボールがゴツンとあたった。
「いって~!!!」
「ごめんな!大丈夫?」
ひとりの女が走ってきた。
「なにすんねんっ!頭割れるがな!」
「ごめんて。」
こんのツインガールめっ
かるく睨むと女は「はぁ」とため息をつきよった。
「あやまってんのになんなん?許してぇな、ココロがせまいってゆうねんで そうゆうの。」
カッチーン
「うるへー!お前誰やっ。」
「高林 沙歩やよ、ゆ・う・り・く・ん!」
「かーっ!!なんやその言い方は!」
高林と俺の間で火花が散る。
「まぁまぁ、仲よーしよや。な?」
貴が仲裁にはいるがなかなかひかない俺ら。
最初にひいたのは高林やった。
「ふっ、ゆうりくんとはあそんだら~ん!」
「こっちもお前なんかと遊びたくないわっ。」
べ~っと舌をだすと、ポコッと頭をなぐられた。