たくさんの笑顔
4 恋ってなぁに?
「ばいば~い!」
やってきてもーた。憂鬱な時間が。
「じゃ、俺帰るからっ!明日報告しろよ?」
ランドセルをしょって貴は去っていった。
「はぁ・・・。」
なんで俺がこんなに悩まなあかんねん・
告られるとき、いつも思う。
なんで、人を好きだと思ってしまうんやろって。
振られたとき悲しいんは本人やのに。
そんなことを思うのは、俺がまだ幼いからなん?
んんー!!!!わからんっわかりっこないんやわ!あきらめよぉ!
そう思っている間に屋上へ来てモータみたい。
キィィ
古ぼけとる扉を静かに開けると、一人の女がもうおった。
「ごめん。待たせた?」
びくっと体が動いて、こっちをむく。
「うぅん。えぇの。中瀬君が来てくれただけでうれしいから。」
そいつは少しだけ顔を赤らめた。
「んで、用件はなんや?」
こっちはさっさとすませて帰りたいやけど。
「わかってるとは思うけど、うち、中瀬君のこと好きやねん。やから付き合ってほしい。」
小学校の分際で付き合うぅ??
今の小学生は進歩しとるわぁ(俺もその一人やろうけど)
「すまん。俺、お前のこと好きやないから、付き合うとかそうゆうのでけへんわ。」
そう言うと、女は泣き出した。
泣くとかぁ。俺困るやんっ
「ひっく!・・・うちのこと好きじゃなくてもえぇからっうぅ・・・!好きになってもらえるように努力するからっっ!なぁ、えぇやろ!?グズッ・・・。」
「そーゆわれても。俺も軽い気持ちでゆうとんのとちゃうんやさかい。」
そーゆっても、なかなか引き下がってくれへん。