エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「菜那ちゃんも寿退社だから安心だね! 私は社長の紹介で違う家事代行業者を紹介してもらったけど、菜那ちゃんは次の就職先は決めてないんでしょう?」


 沙幸は嬉しそうに目を細めて笑っている。


「はい。何か違うことに挑戦するのもありなのかなって思って。でも私この仕事以外したことないから何が出来るかは分からないんですけどね」


「菜那ちゃんなら何でもできるようになるわよ。応援してる」


「ありがとうございます」


「じゃあ、行こうか。今日は皆でお別れ会に菜那ちゃんのお祝い会にもなったわね! お店に着いたら他の皆にも発表しなきゃね!」


 沙幸がバンっと菜那の腰を叩き三人で笑った。


 この会社で、カジハンドで働けて良かった。きっとここで学んだことはいつか自分の強みになってくれるだろう。二人の弾けるような笑顔を見て菜那はそう思った。

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