エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「もちろんですよ。菜那さんは私の妻なんですからね。それにもう荷物だって運んであるでしょう?」


「そ、そうでした」


 菜那は視線をアスファルトにうつした。どうしたんだろうと腰を曲げて菜那の顔の近くに寄ると耳を真っ赤に染めている。


 本当に感情に素直な人で、愛おしい。


「さぁ、入りましょう」


「はいっ」


 繋いだ手を離さずにマンションの中に入る。さっき言ったことは覚えているだろうか。今すぐ抱きたいって言ったことを。
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