エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
それでも蒼司の腕の中は心地いい。蒼司の爽やかで甘い香りも大好きだ。蒼司のぬくい体温も大好きだ。そっと目を瞑り、とくとくとリズムよく耳元に響く心音も大好きだ。
「菜那さん、ここからは俺の独り言です」
「え……?」
不思議な発言に思わず目を開いた。
「頑張りすぎないで。気負いすぎないで」
とんとんとん、と優しく背中をさすられる。
「女性は身体の中に生命を宿すことが出来る。男には絶対出来ないことです。とても凄いことだ。貴女は本当に凄い。一つの生命を背負って今必死に苦しさと戦ってくれていますよね」
……戦っている。
そう。この負の感情と戦っている。大好きだから、蒼司の役に立てないことが辛い。赤ちゃんがお腹の中にいて嬉しいのに、嬉しいはずなのに、何も出来ない自分が不甲斐なくて感情がぐちゃぐちゃに絡まってる。
「菜那さん、ここからは俺の独り言です」
「え……?」
不思議な発言に思わず目を開いた。
「頑張りすぎないで。気負いすぎないで」
とんとんとん、と優しく背中をさすられる。
「女性は身体の中に生命を宿すことが出来る。男には絶対出来ないことです。とても凄いことだ。貴女は本当に凄い。一つの生命を背負って今必死に苦しさと戦ってくれていますよね」
……戦っている。
そう。この負の感情と戦っている。大好きだから、蒼司の役に立てないことが辛い。赤ちゃんがお腹の中にいて嬉しいのに、嬉しいはずなのに、何も出来ない自分が不甲斐なくて感情がぐちゃぐちゃに絡まってる。