エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「貴女なら負けないはずだ。泣いても、泣いても立ち上がる強さを持っていますからね」


 閉じた瞳の端からツーっと涙が零れ落ちた。


「その強さを引き出すのも、支えるのも、守るのも、俺の役目だから。そこは譲りませんけどね」


 そっと頭を何度も撫でられる。


 ……負けないぞ。


 蒼司の独り言のおかげでそう思えた。やっぱり蒼司は出会った時から自分のヒーローだ。愛するヒーローの為に頑張ろう、そう腕の中に包まれながら自分の心に誓った。


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