エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
五章
1.好きだけじゃだめですか?
朝、シャッと勢いよくリビングの遮光カーテンを開くとまだ朝の八時だというのに陽はじりじりと照りつけていた。
「いい天気でよかった」
菜那は少しだけ膨れたお腹をそっと触る。あっという間に冬から夏に季節は変わり、菜那も安定期を迎えていた。
悪阻なんかに負けないぞ、と思っていても、思ったように料理が出来なかったり、家事が出来なかったりと悪阻には相当悩まされた。何度も自分の不甲斐なさに涙を流したがその度に蒼司の優しさに包み込まれた。
悪阻が終わった今も蒼司は相変わらず優しく、菜那を労り、家事も料理も積極的に手伝ってくれている。感謝しきれないほどの毎日だ。
ピーピーと予約してあった炊飯器の音が鳴った。
「さぁ、朝ごはんの準備をしようかな」
炊飯器の蓋を開けてももう匂いに負けることはない。しゃもじで炊きあがったお米をかき混ぜることもちゃんとできる。妊娠初期の悪阻が辛かった時期の何も出来ない自分が嘘のよう。
「いい天気でよかった」
菜那は少しだけ膨れたお腹をそっと触る。あっという間に冬から夏に季節は変わり、菜那も安定期を迎えていた。
悪阻なんかに負けないぞ、と思っていても、思ったように料理が出来なかったり、家事が出来なかったりと悪阻には相当悩まされた。何度も自分の不甲斐なさに涙を流したがその度に蒼司の優しさに包み込まれた。
悪阻が終わった今も蒼司は相変わらず優しく、菜那を労り、家事も料理も積極的に手伝ってくれている。感謝しきれないほどの毎日だ。
ピーピーと予約してあった炊飯器の音が鳴った。
「さぁ、朝ごはんの準備をしようかな」
炊飯器の蓋を開けてももう匂いに負けることはない。しゃもじで炊きあがったお米をかき混ぜることもちゃんとできる。妊娠初期の悪阻が辛かった時期の何も出来ない自分が嘘のよう。