エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「私はっ……」
蒼司のことを好きっていう気持ちしかない。彼の隣にいて何の役に立てる?
(何も私は役に立てないけど……)
蒼司のことは誰にも渡したくない。それに……
(私はママになるんだから。こんなことで負けてられない!)
菜那は今まで自分がしたことのないような鋭い目つきで愛羅を睨みつけた。
「離れません。私から蒼司さんの側を離れることは絶対にありません! 私は彼を愛してる! じゃあ失礼しますね!」
叫ぶように言い切った菜那は背を丸くして壁と愛羅の間から勢いよく逃げ出した。走ってトイレを出て蒼司を見つけた瞬間、彼の手を取り、引っ張る。
「菜那さんっ? どうしました?」
「早く行きましょう!」
殺気立つ菜那を心配そうに見る蒼司。だいぶトイレから離れた場所まで来た菜那はピタリと止まりくるっと後ろを向いた。堪えて、あふれ出しそうな涙を瞳のふちに溜めて蒼司に思い切り抱きつく。
蒼司のことを好きっていう気持ちしかない。彼の隣にいて何の役に立てる?
(何も私は役に立てないけど……)
蒼司のことは誰にも渡したくない。それに……
(私はママになるんだから。こんなことで負けてられない!)
菜那は今まで自分がしたことのないような鋭い目つきで愛羅を睨みつけた。
「離れません。私から蒼司さんの側を離れることは絶対にありません! 私は彼を愛してる! じゃあ失礼しますね!」
叫ぶように言い切った菜那は背を丸くして壁と愛羅の間から勢いよく逃げ出した。走ってトイレを出て蒼司を見つけた瞬間、彼の手を取り、引っ張る。
「菜那さんっ? どうしました?」
「早く行きましょう!」
殺気立つ菜那を心配そうに見る蒼司。だいぶトイレから離れた場所まで来た菜那はピタリと止まりくるっと後ろを向いた。堪えて、あふれ出しそうな涙を瞳のふちに溜めて蒼司に思い切り抱きつく。