エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「っ……菜那さんをあのクソみたいな男から守ってあげたかった」


「そ、しさん……っんんぅ……んん……」


 強い欲情を唇越しに流し込まれ身体が火照る。押しつぶされてしまいそうなほど強く唇を重ね合い、息をすることさえ阻まれる。その強引さが嬉しかった。


「んっ……ふっ……」


 ゆっくりと唇が離れ、身体全体を包み込まれるように抱きしめられる。


「俺が菜那さんのことを守るから。大切にする、幸せにする……」


 力のこもった声に菜那は思わず微笑んだ。


「私はもう十分幸せですよ。でも……これからもっとこの子と一緒に幸せになりましょうね」


 人の気配を感じないことを良いことに、何度も何度もキスを繰り返した。

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