エリート建築士は傷心した彼女を愛し抜きたい
「ますます惚れてしまいました」


「蒼司さん……」


 そっと身体を離し、菜那は視線を自分のお腹に向けた。


「私は全く強くも優しくもありませんよ。もし強いと思ってもらえたならそれは蒼司さんに出会えたから。この子が私の元に来てくれたからです」


 菜那は蒼司の手を取り、そっとお腹に触れさせた。


「強くならないとこの子を守れませんからね。もう泣いてばかりの私じゃありませんよ?」


「出会った頃はたくさん泣いていましたもんね。強くなったかもしれないですけど、これからも菜那さんのことは俺に守らせて。それにこの子のことも俺だってこの子の父親なんだから」


「二人でこの子の事守っていきましょうね」


 コツンと額が軽くぶつかり、二人で笑いあう。


 蒼司の大きな手が笑う菜那の頬を包み込み、チュッと軽い音を立てて唇が重なった。

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